2011.05.12 Thursday
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「乱読の日々」はお休み中右から左へ忘れそうなので、簡単に本との交遊録をつけることとしました。
2006年11月 管理人 が、09年秋からお休み中です。 2011.05.12 Thursday
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2009.09.01 Tuesday
辻音楽師の唄
「辻音楽師の唄」長部日出雄 文春文庫 740円 ☆☆☆☆☆ 優れた太宰治の評伝 副題は「もう一つの太宰治伝」となっている。 弘前出身の長部が同郷の先輩太宰への愛と尊敬をこめた評伝。 太宰については女性に人気がありすぎ、やや敬遠してきたこともあり、奇矯な行動といくつかの小説をアトランダムに読んだに過ぎなかった。 想像以上のお坊ちゃんぶりとその性格と才能を形作った幼年期の特殊な環境、早熟な天才ぶり、性格的に弱いところへ、というより弱いがゆえの他へのサービス精神、そして文学・・・。 太宰にとって書くことは演じることであり、さらには人生そのもをも演じ続けた、と長部氏は書く。 とにかくこれまでの太宰観に大きな一石を投ずる評伝である。 少ししっかり太宰を読んでみたいような気がしてきた。 2009.08.22 Saturday
自転車の文化史
「自転車の文化史」佐野裕二 中公文庫 ☆☆☆☆☆ 自転車の歴史早分かり ヨーロッパにおける自転車の発祥から普及、そして日本へ伝わってからの変遷などが、丁寧に書かれている。 つまり自転車の歴史全体が良くまとめられている。 それによれば日本には明治初年に持ち込まれ、明治末期に盛んとなり、、変遷を経て第2次大戦で産業として壊滅的になる。 そして戦後の復興を経て今日に至る。 明治時代の自転車は大金持ちの遊び道具で、途方もなく高いものだったらしい。 例えば賄いつきの下宿が月に4円のだった26年、自転車は(輸入品)200円から300円したという。 今の価格にすればどうなのだろう。おそらく相当高級な乗用車に匹敵すると思われる。 自転車を通して時代が見える 大きな流れでみると、最初は金持ちの遊び道具で始まり、ついで荷車代わりの簡便な実用車となり、そして買い物や通学の実用とスポーツ用の遊びと分かれる現在に至るようだ。 自転車を軸に書いているが、文化史とあるように、ある意味でその時代の風俗や人々の平均的思考が垣間見えて、それはそれで大層面白い。 自転車好きは読んでみて損のない1冊だろう。 ただしこれは1988年の発行で、今は絶版となっている。 今回は昔1度読んだ本だが、思い出して再読した。 2009.08.20 Thursday
奥山相姦
「奥山相姦」中山あい子 角川文庫 ☆☆☆☆☆ 過去の作家 奥深い山村。激しい欲望をむき出しにする痴呆症の息子を抱えたすえ。 「地獄」だと叫び、運命をのろいつつ生きる。 表題作をはじめ、7編からなる小説集。 いずれも女のほんねで語られる。 この文庫本は1981年の発行。 いまや彼女の本はすべて絶版となり、古書店でもあまりないだろう。 彼女自身も故人だし、過去の人の一人だ。 この本がいつどこで、なぜ手元にあるのか記憶にない。整理中に出てきた。 本の処分 最近本を整理した。 1、死ぬまで傍に置きたいもの。 2、処分しがたく、出来れば残したいもの。 3、迷うもの。 4、処分。 このうち4と3のかなりを段ボール何個かに詰め、ブックオフに持ち込んだ。 しばらくして電卓の数字を提示された。 ほとんど期待はしていなかったので、それで引き取ってもらった。 少しがっかりしたのはそれからだ。 足元の段ボールを指してこう言った。 「これらは引き取れません。こちらで処分するか、持ち帰ってもらうかですが・・・」 私に言わせれば、今は手に入らないものも結構ある。 結局この店の本の評価基準は、ほとんど内容でないということだ。 少し寂しいかったが、現実はこんなものだろう。 処分するなら自分の手で、と思って引き取ってきた。 ・・・引き取ってはみたものの、いまだ車のトランクに入ったままになっている。 2009.08.11 Tuesday
大人のための文章法
2009.08.05 Wednesday
真贋の森
「真贋の森」松本清張 中公文庫 660円 ☆☆☆☆ 紛れもなく清張の作品 才能ある学究が、師の逆鱗に触れ不遇を囲っている。その異才が権力と権威に対して暗い復讐心に燃えて、周到に計画を練って戦いを挑むが・・・。 「或る『小倉日記』伝」でデビューした松本清張の初期作品集。 清張の作品は30年以上前だが、ほとんど読んでいる。 復刊されたというので久しぶりに手にとってみる。 この人の権威や権力の腐敗した匂いへの反骨心は、初期の作品から後期の作品まで一貫している。 文章こそまだ硬いものがあるが、この短編集はまぎれもなく松本清張の作品だ。 2009.08.03 Monday
火車
「火車」宮部みゆき 新潮文庫 900円 ☆☆☆☆☆ 見事な展開 休職中の警視庁刑事に甥が持ち込んだのは、行方不明になった婚約者の捜索。 婚約者の足跡をたどってゆくと謎ばかり。 不幸な過去を持った女性と、過去を消して別な人生を歩もうとした女性。 犯罪者でありながら憎みきれない。 息もつかせぬ見事な展開で、ぐいぐい読むものを引っ張って行く。 人に進められてこの人のものを初めて読んだ。決して時間の無駄ではなかった。 2009.08.01 Saturday
文章読本 3題
文章読本
2009年7月 ![]() ![]() ![]() 上達に近道はない 著名な文章読本3冊を通読してみた。 いずれも若い頃読んだし、それぞれ本棚のどこかに単行本があるはずだが、探すのも面倒なので文庫本を求めた。 当たり前のことだが、文章に上達する近道などない。 音楽や絵画などの芸術、あるいはスポーツ、すべて同じだ。 秘訣があるとすれば本物、あるいは優れたものに多く接すること。 さらに一歩踏み込んで自分でやってみること。 良いものに接していれば、おのずと技量は上がり、さらに自分でやってみれば外からは見えなかったこともわかるようになり、上達は早い、ということだ。 もっとも、何が良い文章で何が悪文なのかも分からない時には、上記3冊は文章鑑賞の助けにはなる。 <丸谷本> 谷崎、三島を読んだうえでという前提。 たぶん一番実用的(書く場合にも鑑賞する場合にも)なものか。 <谷崎本> 谷崎潤一郎には「陰翳礼賛」という優れた文明論があるが、いわばそれの文章版といったところ。 文章においても伝統的な日本の美にこだわりを見せる。 <三島本> 豊富な引用で文章を書き方というより、鑑賞の仕方の読本か。 読む順番としては、丸谷、谷崎、三島と続いて、改めて丸谷本再読、が多分一番丁寧な読み方だろう。 2009.06.30 Tuesday
夜の公園
「夜の公園」川上弘美 中公文庫 580円 ☆☆☆ 名状しがたい小説 30台半ばの専業主婦リリ。申し分のない生活をしている。 夜の公園でであった青年、リリの友人春名とその男友達。 4人の男女の織りなす日々。 ・・・不倫、・・・恋愛、・・・名状しがたい小説である。 この作家特有のフワフワ感は相変わらずで悪くないが、私の好みとしては、やはりセンセイの鞄を超えることはできない。 2009.06.27 Saturday
体温を上げると健康になる
「体温を上げると健康になる」斎藤真嗣 サンマーク出版 1470円 ☆☆☆☆ タイトルにちょっとひく なんかキワモノっぽいので手に取るのを少しためらった。 体温と免疫の関係をわかりやすく書いている。 低体温だと免疫力が低下し、良いことは何もないそうだ。 風邪を治す、ダイエット、冷え性、老化防止、・・・などなど、体温の大事さを縷々説明する。 さらにその体温を管理するための生活習慣の注意、食べ物、トレーニングなどを、なかなかの説得力を持って書いている。 結構まじめな本だ。 とにかく、いずれは人は死ぬが、死ぬまであまり人に迷惑をかけたくない、なんて最近は現実味を持って思うようになった。 で、時々「健康」などという文字に反応するようになったのだ。 若いころは健康に神経質な人を見ると、「健康のためなら死んでもいい、ってことか」などとおちょくっていたが、最近はおちょくらなっている自分がいる。 2009.06.25 Thursday
日本一江戸前がわかる本
「日本一江戸前がわかる本」早川光 文春文庫 660円 ☆☆☆☆ 鑑賞ガイドのようなものか 食べ物も気になりだすときりがない。 とりわけ寿司はおくが深いというか・・・、マニアックというか・・・。 くどくど言わずにうまければいいじゃないか、といいたいのだがどうも気にかかる。 たとえばサッカー鑑賞。 ゴールできるかどうか一番面白い。 しかし、何度かみているうちに、パス回しや、ボールとは直接関係がないような選手の動きや、少しずつ観戦の幅が広がってくる。 そうなるといっそう観戦が楽しくなる。 どうも、寿司という食べ物は(あるいはワインや酒や他の料理もそうかもしれないが)、それと似ているような気がする。 親方も感心 知り合いの銀座の老舗の親方から、「この人は正直に良く勉強しているよ」と言われ、つい読んでみた。 スポーツで言えば鑑賞の仕方、ゲームの見所はどこでそのポイントはどこか、どこのチームはどんなチームか、といったことがわかりやすく書かれている。 まだ50歳前後と思われるが、良く食べるいて、良く勉強している。 寿司屋に行くのがちょっと楽しみになりそうだ。 |
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